匂いの記憶

ない筈の匂い

今朝、不思議なことがありました。
洋間で休んでいると、突然覚えのある匂いがしました。Zaviiの尿の匂いです。居るわけのないZaviiの尿の匂い。懐かしい匂い。愛しい匂い。

「えっ!」と思い、一瞬Zaviiの体温を感じました。
「Zaviiちゃん、どこかにおしっこしちゃったの~~?」と言葉が出そうになりました。Zaviiが生きていた頃、時々起きていた情景です。そして、暫くして匂いは消えました。

こんな経験をするのはBaabaだけではないでしょう。大切な存在を失った人が経験する事象の一つなのだと思います。もしかしたら、人間だけではなく動物など他の生命体も同じ体験をするのかもしれません。

亡きものからの贈り物

Zaviiが亡くなったばかりの頃、Zaviiが生きていた時の残像がBaabaを苦しめました。もちろん、今でも思い出し辛くなることはあります。でも、以前よりは懐かしむ時も増えてきているように思います。

一緒に過ごせた幸せな5年間に改めて心から感謝できるようになってくると、生前の頃の記憶がよみがえり残像的匂いや存在を感知した時の「悲しみ・絶望」の感情が「安らぎ・感謝」などに変化してきます。

もしかしたら、それらの感覚を感知することが出来るのは亡くなったもの達からの素敵な贈り物なのかもしれません。彼らはこの世に残してきた我々を心配し見守ってくれ、そのことを知らせるために時々「この不思議な体感」を与えてくれているのかもしれません。

すべては己しだい。Zaviiと過ごした5年間の記憶をどのような形で思い出すかは自分自身の捉え方のベクトルによります。悲しみ一色にしてしまうのはあまりに勿体ない話です。たとえどんなに短くとも「巡り合えたこと」に感謝することでZaviiと出会ったこと・過ごした日々を意味あるものにしたい。そしてこれから生きる上での指針としていきたい。